「Smile工房」誕生への道のり

完全100%のオーガニックを目指した「自社工場内の一貫生産プロジェクト」
オーガニック100%実現に向けて作られたオーガニックコットン製品一貫生産工場。従来、分業体制にあった工程(撚糸・整経・製織・精練・縫製・加工)全てを自社内一貫生産体制とすることで、最終製品化するまでの工程を一貫して管理することが実現したSmile工房は2008年に完成しました。この時点から、完全100%オーガニックコットン製品を製造する一貫生産工場は日本で唯一の工場として、完全100%のオーガニックコットン製品を製造し、更なる環境負荷低減目標を掲げ日々研究開発を進めてきました。Smile工房内で使用される原材料は、オーガニックコットンのみとなっており、風綿やゴミも、すべてオーガニックコットンである事から100%オーガニックの工房が、実現致しました。

オーガニックに拘るためは、水から拘る必要がある。
「まずは、井戸掘りからスタート
2006年から開始した「自社工場内一貫生産化プロジェクト」で真っ先に取り組んだことは、井戸を掘ることからでありました。完全100%のオーガニックコットン製品を作るためには、先ずは水から。水道水には塩素や多種多様の化学薬剤が含まれており、完全100%のオーガニックを実現するためには、化学薬剤が含まれていない水が必要不可欠であったために、Smile工房が位置する泉佐野市上之郷の地下水を汲み上げ、「真面綿(まじめん)」製品の製造に使用しております。
Smile工房が位置する和泉地域は、山岳信仰の拠点として社が置かれた犬鳴山七宝瀧寺が位置する葛城山から流れ出る水が、和泉地域へと流れ、古くから豊かな水資源があり、自然の恩恵を受け続けてきた。Smile工房の井戸水は、まさに山岳から流れ出た清水が地下へと浸み込んでできた地下水を汲み上げ、その用水をもってSmile工房で加工し、完全100%のオーガニックコットン製品生産に活用しています。

 

「あえて、高速織機から低速織機に入れ替える」
Smile工房で採用している原糸(生糸)は、織り易くするための糊剤(糸の強度を高めるための補助剤)、ワックスなどがコーティングされていない原糸を使っています。そのため、糸にストレスを与えないために、低速で丁寧に糸を織り上げています。そのため、素材の良さが最終製品まで活かされている製品を作り出すことができました。能率、効率、生産スピードの向上を真っ先に目指した「従来型ものづくり」からの脱却が、現在の新たな発見と発展へと導いた結果となって「真面綿製品」というオンリーワンの製品を生み出すこととなりました。
高速から低速へ切り替えたことにより、綿布にかかる余分なストレスをなくし、タオルに「素材そのものの、やわらかさ」をもたせることを実現し
さらに、ゴミの産出量が減少したことで、産業廃棄物の大幅な削減にも繋がりました。

「ウガンダ北部産オーガニックシアバターとの出会い」
Smile工房では、ウガンダ北部産のシアバターを原材料とする自家製シアバター石鹸をタオル生産に導入し循環型環境ストレスフリーを実現したタオル生産を開発しました。オーガニックコットンと同じ産地で取れるオーガニックシアバターは、現地でも相乗的なシナジーを生み出しており、伐採が禁止されているシアバターの木の保護にも繋がっているなど多くの効果を生み出しています。自家製シアバター石鹸は、築50年の蔵で約半年間の熟成期間を経て「真面綿」製品の生産に使用しています。
「環境配慮への挑戦は徹底的に」
全照明のLED化とSmile工房屋根上へのソーラーパネル設置事業。現在、Smile工房内で使用する電力以上の再生可能エネルギーの発電を行っています。


地域の特産品を製造する者として
「地域資源を守り、生かす取り組み」
雑木林化していた里山を、資源へと再生するプロジェクトを2015年から「循環型バイオマスエネルギープロジェクト」を開始致しました。このプロジェクトは、実は世代を超えて繋がれたストーリーが隠されています。現在、弊社代表を務める奥 龍将(オク タツマサ)の祖父である奥 龍雄(オク タツオ)は、現在(平成29年)から約30年ほど前に里山へ大規模な植林を行いました。その際植えられた大量の檜・杉の幼木が、現在全長20メートル級の中木となり、木の上に茂る常緑葉を付けた枝によって、地表面に太陽の日差しが入り込まない状態が作られています。そのような檜・杉林の地表には、草木が育たず、地表面がむき出しの状態となり、以前は草木の根によって支えられていた地盤は、徐々に緩んでいきます。そのような地盤に大雨が降れば、緩んだ地盤は耐えられなくなり土砂崩れを発生させてしまいます。このような形で土砂崩れが起こっている光景は、和歌山県で良く目にするが、人工的に作られた檜・杉林は、人が放置すると災害リスクが高まり危険性が増してしまいます。そんな世間一般では厄介モノ扱いの負の遺産として見受けられがちな檜・杉林を、2代目の奥 竜一(オク リュウイチ)の発案で泉佐野市の特産品であるタオルの生産工程で生かそうという取り組みを始めました。まずは、土砂崩れの原因となる猛々しく密集した檜・杉を間隔を取りながら間伐し、柔らかい日の光を山中へと差し込みやすくし、ここで、発生した多くの間伐材を有効利用して、その間伐材を、櫓のように組み自然乾燥させていきます。

自然乾燥が終わった間伐材は人力で運び出し、Smile工房へと運ばれます。Smile工房では、その間伐材を薪にし、タオル加工のための燃料エネルギーにしています。

これまで、どのように管理して行くべきか?という問題因子となっていた檜・杉林の「間伐材」が、故郷の特産品生産に生かされ、特産品を生み出す資源という「宝」となり、その上、当地の「加工水(地下水)」と両輪となり、このプロジェクトを完成することができたことに感慨深いもの感じています。

いわば、「価値あるモノを価値ある形で最後まで使い切る」という「新たなタオル文化」に直接的に出会えたことにより、今後は良き「もの作り」に誠心し「薪割りをするタオル屋」が、今後の日本タオル製造発祥の地である泉佐野を盛り上げ、新たな共通価値を創造していくことを目標として、今までより直いっそう地域の資源と歴史文化が融合した伝統産業を発展させていくことを我々の使命として、より高い「ブランド」の発信を行っていきたい。と考えています。